四日市旧港をめぐる
その当時を偲ばせる施設や文化財などをご紹介します。
歴史
稲葉三右衛門が築いた旧港が暴風雨によって大破したため、改修工事を行い、明治26年(1893)に築かれました。この時の工事を担当したのが服部長七で、長七は人造石とよばれるものを発明して防波堤に利用しました。現在も残る大小二列の防波堤は、潮吹防波堤と呼ばれ、波の力を弱めるため大堤に複数の穴が開いているのが特徴の堤で、一説には、政府のお雇外国人であったオランダ人ヨハネス・デレーケ設計案ではないかともされますが、真偽は不明です。平成8年(1996)国の重要文化財に指定されています。
四日市湊を修築して近代港湾への基礎を築いた稲葉三右衛門の偉業を記念して旧港の岸壁近くに作られた公園です。潮吹防波堤の仕組みを再現するレプリカ模型が展示されています。
波止改築紀念碑は、防波堤改築を記念して明治27年(1894)に作られた碑です。稲葉三右衛門君彰功碑は、明治30年(1897)に建てられた顕彰碑です。これらは潮吹防波堤とともに国の重要文化財に指定されています。
産業と文化
千歳運河沿いには物流を象徴する倉庫群が建ち並んでいます。
千歳運河にかかる現役唯一の跳開式可動鉄道橋梁です。昭和6年(1931)に竣工しました。全長58メートルのうち中央部16メートルの橋桁が80度ほど跳ね上がります。平成10年(1998)に国の重要文化財に指定されました。
末広町・千歳町間の千歳運河に架けられた可動橋(跳ね上げ橋)です。船舶が通るときは遮断機で車の通行を止め、中央部の橋桁を約70度押し上げて開きます。初代は昭和7年(1932)に竣工しました。現在の橋は平成3年(1991)11月に完成した3代目です。
約100メートルほどのボードウォークから様々な船を眺めることができ、壁画は地元高校生の手により平成8年(1996)4月に完成しました。
公園や遊歩道
高潮護岸の防壁前面平場を利用してカラー舗装化や安全柵、照明灯の設置を行い、旧港から千歳橋までの遊歩道として平成3年(1991)に整備されました。旧港を眺めながら散策することができます。
四季を通じて市民に親しみを与え、物流と市民を極力分離することを目的として整備され、オーストラリア製レンガ舗装による園路、噴水やベンチ、トイレが設置されています。