B四日市港の現状と課題

四日市港の現状

(立地特性)
四日市港は、日本列島の中央部、伊勢湾北西部に位置しています。
四日市港から自動車で2時間の圏内には、三重県内の人口の約90%が居住し、製造品の約90%が生産されています(工業出荷額ベース)。
また、近隣県からのアクセスも容易で、岐阜県南部や滋賀県の琵琶湖東岸地方からは2時間以内、金沢からは高速道路を利用して約3時間の距離にあります。
四日市港の霞ヶ浦地区と東名阪自動車道とは、富田山城線(通称)により最短距離で結ばれています。

(歴史)

(概要)

(港勢)

(環境)
四日市港の水質について、観測開始当初から現在までほぼ同じ地点で計測している2地点についての推移をみると、St-25地点はほぼ横ばいで推移しているものの、St-20地点においては最近10年上昇傾向にあります。


四日市港の強み・弱み

特筆すべき強み特筆すべき弱み
@湾口に近い地理的ポテンシャルを有すること
A背後からの交通アクセスが向上の動き
B官民一体でのポートセールス
C四日市港では、荷主ニーズに応じたリードタイムの柔軟対応が可能(コンテナ)
D名古屋港に比べ水域に余裕があること
E鉄道が港の近くを通っていること
F歴史的資産が残されていること
G磯津・楠地区に自然海浜、朝明地区に干潟が残っていること
H四日市港の背後には、多くの産業が集積している
I中部圏を代表するエネルギー供給基地である
@航路サービスが、名古屋港と比較して、格段に劣ること
A名古屋港と近接していること
B新たなコンテナターミナルの整備には、多大な費用と年月が必要である
C港湾施設の老朽化が進んでいる
D霞地区に通じる公共交通機関がない
四日市港が持つ他港にない固有の強み
@伊勢湾を代表するエネルギー供給基地(石油製品・LNG・石炭等)としてすでに確固たる地位を確保していること。また、LNGの供給では企業間連携が進み、中部圏はもとより近畿圏への供給基地としても大きな役割を果たしつつあること。
A港のすぐ背後には、臨海部コンビナートが形成されており、石油化学を核とした素材・部材産業が立地し、さらに概ね1時間圏内の地域には半導体・液晶などの部材・部品産業、電機・情報や自動車などの加工組立産業が集積していること。
Bこれらの背後産業は研究開発機能の集積も進んでおり、製品の高付加価値化、産業のイノベーション化が進められており、長期的にみても国内を拠点に国際競争力が維持できるだけのポテンシャルを有していること。


四日市港の課題

課題1 背後圏企業の物流ニーズに充分対応出来ていない

(1)県内コンテナ貨物の四日市港利用率が28.5%である
(2)平成19年のコンテナ取扱貨物量は16.6万TEUである
(3)名古屋港との連携の強化が必要である
(4)港湾施設が利用者の要請に充分応えられる状況になっていない

課題2 みなとが住民から遠い存在である

(1)港を訪れた住民の満足意識が低い
(2)国道23号とJR関西本線によって市街地と港が分断されている
(3)工業港的色彩が強い
(4)緑地・公園の利用者が少ない

課題3 環境の改善や利活用が充分でな

(1)CO2削減に関する優位性が生かされていない
(2)水質の状況は改善されていない
(3)歴史的景観が生かされていない

課題4 みなとの安全・安心が充分確保されていない

(1)老朽化した港湾施設が多い
(2)港湾施設及び海岸保全施設の耐震化が望まれている

課題5 多様な主体との連携が充分でない

(1)住民との連携が弱い
(2)企業との関わりが希薄化している
(3)県、市、町との関わりが希薄化している

課題6 厳しい財政状況のもと、要請に対応した、みなとづくりが必要である

(1)長期間未整備の施設計画がある
(2)厳しい財政運営である